ECOSEED(代表 名古屋悟)は、土地環境電子媒体「GeoValue」等、土壌環境を主体に事業を展開していますが、本日は少し毛色の違う話題を。
もう10年位前から多摩川のアユの遡上が話題になっていますが、本年もかなりの数が遡上しているようです。
かつて泡が飛び交う汚濁河川が、流域の下水道整備に伴い水質改善し、アユを始め様々な 生き物が戻ってきたと言われています。
清流の女王と呼ばれるアユが多摩川に大挙して遡上する姿は、多摩川の「水質」的な改善がもたらしたものだと思います。
しかし、ここまで来たら、更に「繋がりのある」川へと目指すべきではないかと思う事があります。
大挙して遡上してくるアユですが、多摩川には数々の障壁があり、都内のアユ釣りのメッカである奥多摩や支流の秋川まで大挙して遡上してきた天然アユがあまり到達できない状況が続いているようです。
大田区から羽村市までいくつもの堰があり、魚道が整備されているとはいえ、かなりハードルが高い状況があるようです。
氾濫源にまで住宅等々が建ち並ぶ東京なので、水害対策等を蔑ろにはできませんが、何か打開策はないのでしょうか。
また、多摩川は羽村取水堰を境に上流から来た水の多くが玉川上水を経由して上水として取水され、ほんの僅かな水が下流へと繋がっています。中・下流域の水量はそこそこあるように見えますが、この多くは羽村取水堰より下流から流れ込む支流の秋川や浅川の水、そして市街地で生活に使われた後、水再生センターで処理された下水放流水に依存しています。
アユの復活は、川の健全性…つまり命が連面と繋がる生物多様性の象徴。
それを都市河川・多摩川で、より高度に繋げる事ができたら、それは人の経済活動、生活と自然の融合点を実現する斬新な先進事例になるのではないかと思っています。
余談ですが、アユとは別に多摩川に遡上している魚、サクラマスを取材した事があります。
アユに比べたら、比較にならない程、極めて少ない数ですが、多摩川に遡上しています。
しかし、ヤマメの降海型であるサクラマスが当たり前に見られるようになるには、アユより上流に住むヤマメの生息域と河口が繋がっていなければならないし、水質もさらに高くしていかなければならないという課題が残っています。
「多摩川に当たり前のサクラマス」
これは、仕事抜きに環境分野の一端を担った人として、取り組んでいきたい夢です。
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