土壌汚染への不信感を再び強めてしまう行為が目立ちはじめています

かつての大阪OAP、豊洲新市場予定地等において土壌汚染問題が社会的な問題として取り上げられていった中で、CSRの一環として企業等における土壌汚染情報の開示が進んできました。

化学メーカー等においても汚染が発覚した段階で周辺地域への説明、プレス発表等を通じたリスクコミュニケーションを積極的に取り組むケースが増えた事で、土壌汚染が一時期のように一方的な社会悪として取り上げられる事が少なくなってきつつあります。

しかし最近、再びおかしなケースが目立つようになってきています。

当初計画と異なった設備等があったことから再び疑念が生じ、地下水調査情報がよく分からない形で専門家会議や市場関係者が知る前にメディアに漏れた事で再びみたび紛糾した豊洲新市場予定地は記憶に新しいところですが、ここへ来て岐阜県において、昨年末そして今月と土壌汚染を把握していたにも関わらず、県への報告を怠っていた事例が連発しています。(岐阜県では要綱で土壌汚染が見つかった場合、県に報告することが求められています)

当該企業の信用問題で済むのなら良いですが、岐阜県内において別企業が同じように土壌汚染情報の報告を怠っていたとなると、「他もちゃんとやってるのか?」、「他も本当はだいたいこんな感じで適当にやってるんじゃないの?」という不信感が再び強まってきかねない状況になります。

一度生じた不信感を払拭するのは至難の業である事は、メディアにも公開されてきた東京都の豊洲市場に関する専門家会議の様子を見ていれば分かるはずです。

土壌汚染が見つかれば近隣の不安感は高まりますし、土地も不動産価値が目減りしますし、企業価値の印象にまで影響が及ぶ。。。調査して対策することになれば、決して安いとは言えない費用が発生するのもまた事実ですので、企業等において土壌汚染ははとても厄介なものだとは思います。

しかし、隠したり、報告を怠ったりすれば、その傷口がさらに広がるリスクを伴う事になりかねません。しかも繰り返しになりますが、当該企業だけではなく、土壌汚染に真面目に向き合ってきた企業にも疑いの目が向けられかねないのは避けなければならないモラル的な事だと思います。



「GeoValue」~環境と安全・安心から土地の価値を~ECO SEED

ECO SEEDは、環境専門紙における10数年の記者経験を生かし、環境ビジネスのさらなる発展とその結果生まれる安全・安心な社会に繋げるための情報発信、環境系団体や環境ビジネス事業者の広報、啓発活動などをサポートしています。(代表・名古屋悟) 【主な取り組み】 ・オリジナル電子媒体「GeoValue」の配信(有料) ・広報コンサルティング など。

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